28歳…結婚間近で幸せ絶頂だったはずの私が仕事で鬱病になりかけた話
こんにちは、しろくまっこです。
産休に入り、毎日2歳の息子とのんびりと出産のその時を待っているまだまだワーママ半人前の私です。
今日は、タイトルの通り、4年程まえに仕事でうつ病になりかけた…
いや、正確にはうつ病になっていたのかもしれませんが。
平穏な日常を過ごす中で、ふとその時の事を思い出し眠れなくなってしまったので。
そんなお話しを。
バリバリの仕事人間OLが突然うつ症状に
28歳の頃、私は現在の会社で営業職をしていました。
入社から6年目。
ある程度の実績を残して、上司にも恵まれ、期待をかけられ、
周囲から見れば何の不満もない、OL生活に見えていたかもしれません。
仕事内容はというと、常に締切&予算に追われ、周囲の期待にも応えよう、と、今思えばキャパオーバー気味になっていた私。
期待される事が自信になって、「上司に、会社に期待されたい」、「今の部署でもっと実績を残したい」と常に肩ひじ張って仕事をしていました。
そんな時、正月の長期休暇をとってしばらく経ってからの事だったと思います。
その時期、1月~2月にかけては比較的予算や締切も緩く、スケジュールに余裕が生まれた頃でした。
「うつ」という得体のしれない病は、突然私に襲いかかりました。
いや、実はすごく前から、私のすぐ近くにいたのかもしれません。
多忙な毎日を過ごす中、自分のメンタルや身体からの不調のサインに、気付かなかっただけなのかもしれません。
思えば、生理も不規則、取引先との接待飲みや会社の飲み会で睡眠時間も足りず、家にはただ寝に帰るだけ、という生活が何年も続いていました。
締切に余裕があるため、いつもより外訪が少なくなり、会社のフロアにいる時間が長くなったとき。
誰も、本当は自分なんて必要としていないんじゃないか、という不安に襲われる。
今手がけている仕事は、実は生産性が低く、会社にも世の中に全く貢献していない、何のために毎月がむしゃらにやっているのか、と働く意味を見失う…
急に、プツン、と何かが切れたような感覚になりました。
結婚も、昇格も間近。その状況が更にうつ症状を悪化させる
その時、私はすでに夫君と会社のすぐ近くのアパートで同棲をし、
半年後に迫った結婚式の準備を進めていました。
上司からは昇進・昇格もほのめかされ、
まさに「自分の人生の中で、今が幸せの絶頂なのかもしれない」という時でした。
それなのに…それとは裏腹にズーーンと暗い気持ち。
会社では、デスクに座っていても上の空。
デスクトップのファイルを何度も開いては、閉じて、、
自分が何をしようとしているのか忘れ、
同僚や上司に話しかけられても笑顔が作れず、目を見れず、顔面が硬直したような感覚に。
こんな状態で、来月からまた予算と締切に追われて、数字が作れるのか…という漠然とした不安。
そんな状態が1週間は続いたと思います。
ある朝、起きると全く身体が動かない。
次から次へと、静かに溢れる涙。
そんな私に気付かず、いつもの時間に、私よりも早く家を出る夫君が出社の準備を始めていました。
私は、金縛りにあったような身体で必死に夫君に訴えていました。
「―――会社、行きたくない・・・」
そう声を振り絞った瞬間に、次から次へと涙が溢れ、過呼吸の様になってしまった私。
夫君は、慌てふためき、
「わかった、わかった、行かなくていいから!」
と、自分の会社に体調が悪いので遅れる、という連絡を入れてくれて、
そこからゆっくり私の話を聞いてくれました。
私も、当時の上司に体調不良で休みたい、と連絡をいれようと思いましたが、
この日休んでしまったら、なんとなくもう二度と会社には行けないような気がして、
体調不良で少しだけ遅れる、という連絡を上司にいれました。
この時、キッパリ、休む勇気を持てる自分だったならうつ病にはならなかったんだろう、と今では思います。
自分を良く見せたい、完璧主義がうつ病の引き金?
私は、小さい頃から完璧主義で、自分を追い込んで達成感を味わうのが好きな子供でした。大人になってからも、あまり周囲に弱音を吐くタイプではなく、「自分を良く見せよう」と周囲の目を気にする、相手に合わせる典型的な八方美人。
あるサイトに、「うつになりやすい人の性格」というものがまとめられていました。
50代女性 精神科医
自分にも他人にもハードルを高くしがちであり、それをクリアできないと強いストレスを受けます。「こんなはずじゃない」という強い思いがあるため、少しでも理想にそぐわないと自分を責めたり、他人の分まで背負い込んで落ち込んだりしてしまいます。結果、いらない疲れを溜め込みやすくなります。仕事だけでなくプライベートでも同様の傾向にあるので、休むことができません。
「うつ病になりやすい性格が存在する」と回答した医師177名に、具体的にどんな性格か、と質問したところ、7割弱の医師が「生真面目、几帳面、完璧主義、凝り性」と回答したとあります。そのほかにも、「周囲の目や評価が気になる」、「八方美人」など。
そして、具体的なうつ症状としては、以下の様なものがあげられます。
・気分が落ち込む(とくに朝)
・悲しい気持ちや憂鬱な気持ちになる
・集中力が低下し、仕事の能率が落ちる
・注意力が散漫になり、人のいうことがすぐに理解できない
まさに、当時の私!
ただ、この症状って、誰にでもあり得ることだし、
疲れていたり、余裕がなくなったりすれば見過ごしたりしがりです。
ついに身体が出社拒否。救ってくれた母や夫君の言葉
20分ほど歩き、会社が見えてきた時、また堰をきったように溢れる涙。
急に足に鉛がかけられたかのように、
一歩も動けなくなってしまいました。
どのくらい、その場にいたかは覚えていませんが、
とにかく、この状況では会社に行けない、と悟った私は、
上司にその場で電話をかけました。
すると、ここ数日の私の様子に、異変を感じていた上司はすぐに状況を察知してくれ、
「行きづらいかもしれないけど、精神科に行って話を聞いてもらうのも手だぞ!」
と、勧めてくれました。
その後、精神科にはいきましたが、簡単な問診の末、安定剤を処方され「しばらくは仕事も無理せず、自宅療養するように」と促されただけでした。
私にとって、まったく解決にはならず(結局処方された薬にも手を付けず)
その日は母に会い、話を聞いてもらうことに。
泣きながら、仕事に行きたくない、でも辞めることができない。と泣く私に、
母は明るく言いました。
「辞めてもいいじゃない、あんたがいなくても会社は回るよ!
あんただけじゃない、部長がいなくても、社長が変わっても、会社は回る。
それより、自分の心を壊しちゃったらもうおしまい。
会社は心まで守ってくれないんだから」
その言葉を聞いて、スーッと心が軽くなった記憶があります。
そういえば、夫君も、「会社を辞めたい」と言った私に当たり前のように言ってくれました。
「辞めていいよ!俺が働くし。まっこは傍にいてくれるだけでいいから」
無条件に、私の存在を受け入れてくれる当時の夫君の言葉に救われました。
そして、その後1、2週間は会社を休みがちになりましたが、
上司は会社の外で私の話を聞いてくれました。
私の気持ちを打ち明けると、
「え?そんなことで悩んでたの?
予算なんて達成できなかったら俺が責任とるから!
お前は楽しく仕事してくれるだけでいいよ!」
と、あっけらかんと言ってくれました。
そして少しずつ心のリハビリをした私が職場に戻ったとき、
部署内の誰一人として私がうつ症状だったということは気付いておらず
(もともと直行直帰が多い部署だったこともありましたが)
体調不良で有休も余っているので消化していた、とあくまで軽く捉えられていた事にも救われました。
「無条件に自分の存在を受け入れてくれる人の存在」が鬱になりかけた私を救った
夫くんをはじめ、母や当時の上司がいなかったら、私の心は本当に潰れていたかもしれません。
うつ症状の人に言ってはいけない言葉としてよく言われるのが、
「頑張れ」という言葉。
「頑張れ…じゃあ頑張れない私は価値のない人間なのか。
今よりもっと、頑張らないと生きている価値もないのか」
とさらに自分を追い込んでしまいます。
それよりも、
「何もしなくていい。そこにいてくれるだけでいい」
と思ってくれる人の存在が、
真っ暗なトンネルの中にいるその人の心に灯りをともしてくれるんだと思います。
そして、自分自身の存在を、一番に認めてあげられるのは自分自身。
時には、自分に甘くなって、周囲にも甘えられる少しの勇気でうつ症状は改善されることもあります。
『うつは心の風邪』という言葉の意味と誤解
『うつは心の風邪』とよく揶揄されますが、
「風邪の様にすぐに治る」という意味ではありません。
鬱は、特別な人がなる病気でないということ。
風邪と同じくらい、誰にでもかかる可能性があるし、その症状に気付かず、自覚症状のないまま進行してしまう、ということです。
ただ、この解釈は正しいものかどうかわかりませんが、
風邪をひくときは免疫力が落ちていたり、何かしら無理をしてしまっていたり・・・必ず引き金があります。
うつも同様で、日ごろの小さな不調や心の疲れが引き金となり気付いた時にはすでにかかっていた、というほど身近に潜んでいる病です。
あれから4年。
あの頃の自分は、自分の居場所が欲しくて、認められたくて、力が入りすぎていたなぁと振り返ると思います。
今ではすっかり、力の抜きどころもわかり、自分が周りの人がいないと全く駄目だ、と自覚できるようになった私。
これからは、無条件に愛情を注げる対象がいることに幸せを感じ、
その幸せを一番に守っていこう、と思っています。
私は、明石家さんまさんの、娘のIMALUさんに付けた名前の由来ともなった座右の銘が好きです。
『生きてるだけでまるもうけ』
悲しいニュースが多い世の中。
自分が、家族が、生きてるだけでまるもうけ。
そう考えると、つい後ろ向きになってしまう時も前向きになれそうです。