一人目出産記録②【分娩室編】 28時間続いた陣痛の先には…
こんにちは、しろくまっこです。
前回は出産記録【~陣痛室編】をお届けしました。
今回も長くなりますが、宜しくどうぞお付き合いください。
陣痛室よ、さようなら
夢にまでみた分娩室は神々しく輝いて見えました。陣痛室にいたのが18時から翌朝8時までということもあり、暗いトンネルからやっと抜け出せたような気持ちです。
気付くと、助産師さんに連れられ夫君も入ってきました。
・・・あれ?打ち合わせと違うけど!
夫君は妊娠判明直後から、頑なに立会出産を拒んでいたんです。
陣痛をともに乗り越えた夫の強い決意
今回妊娠が発覚した当初から、夫君には『立会出産はしたくない』と明言されていました。
理由は、『血とか無理だから』。そう、夫君は意外とナイーブ男子なのです。
そんな夫君が今隣にいます。それも大粒の涙を流しながら。
どうやら陣痛で苦しむ私の隣で一晩過ごしたことで、
「ここまで一緒に頑張ったんだから、最後まで見届けたい!」という想いに変わったようです。
『まだ終わってないから!』と冷静に心で突っ込みを入れ、
テキパキとお産の準備を進める助産師さんたちの動きをただただ眺めていました。
もちろん陣痛の波は終わっていませんが、この波の後に喜びが待っている!という強い確信を持ち、痛みの波が来るのが嬉しくもありました。
マラソンでいう、ゾーンの域に入っていたんだと思います。
ゾーン・・・スポーツ選手が、極度の集中状態にあり、他の思考や感情を忘れてしまうほど競技に没頭している状態のこと。「心と体が完全に調和した状態」、「体が勝手に動き、苦痛を感じなかった」、「試合をやっている自分を上空から眺めている状態」とも表される。
『全開大ですよ~!もう頭も見える!何回かいきめば生まれちゃうね』
そこから痛みの波に合わせていきみますが、助産師さん達は異様に私の“いきみ”を褒め称えてくれます。
こんなに人生で褒められたことあるだろうか、って感じに褒めてくれます。
私は頭の血管が切れるんじゃないか、ってくらいに痛みに合わせていきみますが、
なにやら、私の羊水を包んだ膜はかなり丈夫だったらしく、なかなか破れません。
『もう、いいから、何か尖ったものでパシャ―って破いてくれよ・・・・』
とブツブツ願いながら、何度かいきみますが、長い陣痛の末、私の体力は確実に奪われていました。気付けば焼肉弁当を食べたときから16時間、水分もほとんど戻してしまっていますから当たり前のことです。
そこでいざという時のためにカバンにひそめていたウィダーインゼリーエネルギーインを一気に吸い込みました。
それでも何度いきんでも私の立派な膜は破れる気配はありません。
そこに初老の先生登場。
『分娩室に入ってどのくらい?え、もうそんなに経ってるの?10分くらいで生まれると思ったけどなぁ』
なんて呑気なもんです。ただ、先生の存在感と安心感はただものではなく、
『もう産むんだ』という気持ちが一気に高まりました。
分娩室に入って2時間半 やっと我が子に会える
結局私の頑丈な膜は先生の手によって破られました。
そこから5回ほどいきみますが、ウィダーインゼリーのパワーも限界です。
先生は何かを悟った様に言いました。
『まっこさん、ここまでよく頑張りましたね、ただ、このままだと赤ちゃんが出てくれないので少しだけ出口を切・・』
『いいですいいです!切ってください!!!!』
私はかぶせ気味で懇願しました。もう、我が子に会えるなら身体のどこを切られてもいい、むしろ初めからそうしてくれ!
噂にきく会陰切開は痛みを感じないというのは本当でした。
そして切られた後、先生の声に合わせて思いっきりいきむと、
『にゅるるるるん!!!』
と、確かな感触がありました。
くしゃくしゃで真っ赤な我が子の顔が見えた瞬間、これまで抱いていた感情の全てが溢れだすように、私は声をあげて泣いていました。
こんなに感情をむき出しに泣くのは、子供の時以来でしょうか。
ふと隣の夫君を見ると、私以上の大号泣です。
手はあざができるんじゃないかってくらい強く握られていました。
それを見てまた少し冷静になる私。
助産師さんによって綺麗に拭かれた赤ちゃんを、私の胸に抱いた時のあたたかい感触は生涯忘れることはないでしょう。
分娩室のスピーカーからは、カーペンターズのエーリーシャラララーン(曲名不明)が流れています。
私は、今まで味わった事のない大きな達成感に満ちていました。
出産を経験して
まだ4か月しか経っていませんが、遠い昔のことの様に思います。
予定日まで、いろんなサイトを見ては先輩ママたちの出産記を読んで予行練習をしたものですが、実際の痛みは予想をはるかに超えていました。
それでも、その痛みの先に『我が子に会える』喜びが待っているから、耐えられるんだと思います。
とても幸せな痛みですね。とはいっても出来れば痛くないほうがありがたいですが^^;
腹を痛めて産んだ子だからではないですが、本当に息子が毎日可愛くてしょうがありません。夫君も、立会出産をして本当に良かった!と言っています。
私としても、夫君と辛さを共有できたことでまた1つ、家族としての絆が強まったように思います。
さて、妊娠で17㎏増えた私の体重はその後どうなっているのでしょうか。
またこちらで報告したいと思います。